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「頑張ればなんとかなる」で、なんとかならなかった話
離婚した直後、私は家事をすべて自分の手でやろうとしていました。
仕事から帰って、洗濯物を取り込んで、夕飯を作って、食器を洗って、洗濯機を回して、干して、子どもの明日の準備をして。座れるのは23時過ぎです。
家電を買うお金があるなら貯金に回すべきだと思っていました。時短家電は、余裕のある家庭の贅沢品だと。
その考えが変わったのは、体調を崩して仕事を3日休んだときです。医療費と欠勤で減った収入を計算しながら、こう思いました。
私が倒れることが、この家にとって一番高くつく。
今日は、感情論ではなく数字で、時短家電の話をします。
1. 時短家電は「浪費」なのか「投資」なのか
家計相談でも、この質問はよく受けます。判断するために、まず時間を数字にしてみましょう。
例:食洗機で1日30分の家事が消えた場合
- 30分 × 365日 = 年間 約180時間
- 180時間は、日数にすると7日半
年に7日半分の自由時間が戻ってくる、ということです。
ただし、正直に言っておきます
浮いた時間は、そのままお金にはなりません。
「時給1,200円 × 180時間 = 21万円の価値」——こういう計算を見かけますが、実際に21万円が入ってくるわけではありません。ここを混同して高額な買い物を正当化するのは、FPとして勧められません。
では何が返ってくるのか。
- 体力が残る(体調を崩して欠勤するリスクが下がる)
- 子どもに向ける機嫌が残る(これが一番大きいと思っています)
- 浮いた時間を仕事や勉強に使えば、収入に変わる可能性はある
3つめは「可能性」です。それを織り込まずに、前の2つだけで元が取れるかどうかで判断してください。
私は、娘に「お母さん最近怒らなくなったね」と言われたときに、元が取れたと思いました。
2. 買う順番(効果が大きい順)
予算は限られています。一度に揃えず、効く順に1つずつが鉄則です。
① 食洗機(★★★★★ 最優先)
最初の1台はこれです。
- 浮く時間:1日30〜40分
- 価格帯:工事不要のタンク式で 3〜5万円前後
- 賃貸でも設置できるモデルがあります
食器洗いは「毎日必ず発生して、絶対に終わらない家事」です。しかも夕飯後、一番疲れている時間帯に来る。ここが消えるインパクトは想像以上でした。
工事不要のタンク式なら、賃貸でも引っ越し先に持っていけます。設置スペース(幅と高さ)を必ず測ってから注文してください。
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② 衣類乾燥機・ドラム式洗濯乾燥機(★★★★★/予算次第)
- 浮く時間:1日20〜30分、加えて天気に振り回されなくなる
- 価格帯:ドラム式で 15〜25万円前後、単体の衣類乾燥機なら5〜8万円前後
効果は絶大ですが、価格も跳ね上がります。いきなりドラム式を狙わず、まず単体の衣類乾燥機という選択肢を検討してください。
雨の日に部屋干しの洗濯物をかき分けて生活する、あのストレスがなくなります。花粉症のお子さんがいるご家庭にも効きます。
③ 電気圧力鍋・自動調理鍋(★★★★☆ コスパ最強)
- 浮く時間:1日20分程度、そして**「見ていなくていい」**
- 価格帯:1〜2万円前後
金額あたりの効果でいえば、これが一番かもしれません。
材料を入れてボタンを押せば、あとは放置。その間に子どもの宿題を見たり、お風呂を済ませたりできるのが本質的な価値です。カレー、肉じゃが、豚の角煮あたりが得意分野。
朝セットして帰宅時に完成、という使い方ができるモデルを選ぶと、平日の夕方が変わります。
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④ ロボット掃除機(★★★☆☆)
- 浮く時間:週2〜3時間
- 価格帯:3〜8万円前後
効果は確かにありますが、床にものが多い家では本領を発揮しません。子どもが小さいうちは、床にものを置かない習慣づくりのほうが先かもしれません。
「掃除機をかける」より「片づける」ほうに時間を取られているなら、優先度は下がります。
⑤ 電動アシスト自転車(★★★★☆/送迎がある家庭のみ)
- 浮く時間:送迎の負担が大きい家庭では1日30分以上
- 価格帯:10〜15万円前後
保育園や習い事の送迎がある方には、上位に来ます。車を持たない選択ができるなら、維持費との比較では大きく安いという側面もあります。
該当しないご家庭には不要です。ここは生活スタイル次第。
3. お金がないときの、現実的な買い方
「順番はわかったけど、その3万円がない」——それが本音だと思います。私もそうでした。
- 1台ずつ。1年に1つで十分です。 全部揃える前提で考えると、動けなくなります
- 型落ちモデルを狙う。 新機種発売の直後、旧型が大きく下がります
- セール時期に合わせる。 楽天なら「お買い物マラソン」「スーパーSALE」のタイミング
- レンタル・サブスクで試す。 高額な家電は、置き場所と使い勝手を確かめてから買えます
- リサイクルショップ、フリマアプリ。 ただし保証と初期不良のリスクは織り込んで
やってはいけないこと
リボ払い・分割手数料を使って買うことです。
手数料を払った瞬間、費用対効果の計算が崩れます。3万円を貯めてから買っても、遅すぎることはありません。 半年かかっても構いません。
そして、生活防衛資金(生活費6か月分)を崩して買うのもNGです。ひとり親家庭にとって、現金の余力は何よりの保険です。
4. 食品に頼ることは、手抜きではありません
家電と同じくらい効くのが、ここです。
冷凍ストックを常備する
- 小分け冷凍の肉・魚:解凍の手間が消えます
- 冷凍野菜(ブロッコリー、ほうれん草、ミックスベジタブル):洗う・切るが消えます
- 冷凍うどん・冷凍餃子:最後の砦として常備
ミールキット・レトルト
献立を考える労力は、実際に調理する時間と同じくらい消耗します。「今日は考えない日」を週に2日つくるだけで、平日の重さが変わります。
「ちゃんとしたごはん」の呪いを手放す
私はずっと、手作りでなければいけないと思っていました。
でも、疲れ切った母親が無言で作った手料理と、冷凍餃子を並べて笑いながら食べる夕飯と、子どもにとってどちらがいいのか。答えは、たぶん後者です。
食費が上がりすぎない範囲で、頼れるものには頼ってください。
5. 買う前に確認する4つのこと
FPとして、ここだけは必ず伝えます。
① 置き場所を測ったか 特に食洗機。「サイズが合わず返品」が本当に多いです。
② 電気代はいくら増えるか 乾燥機は電気を使います。月数百円〜千円台の増加を見込んでおいてください。
③ 生活防衛資金を崩していないか 崩すなら、買わない。もう少し待つ。
④ 本当に自分の負担が減るものか 「あると便利そう」ではなく、**「今いちばんつらい家事はどれか」**から逆算してください。人によって答えは違います。
まとめ
- 時短家電で浮いた時間は、直接お金にはならない。体力と機嫌が返ってくる
- 買う順番は、食洗機 → 衣類乾燥 → 電気圧力鍋
- 一度に揃えない。1年に1台で十分
- リボ払いと生活防衛資金の取り崩しだけはしない
- 冷凍・ミールキットに頼ることは手抜きではない
ひとり親家庭では、あなたが倒れたときの代わりがいません。
自分の体力を守る出費は、家計にとって合理的な支出です😊

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