「母はもう70代なんだな」
40代も半ばを過ぎた頃から、ふと胸がざわつく瞬間が増えました。一緒に買い物をした帰り道。何気ない電話を切ったあと。母と過ごしたあとに必ずよぎる、「あと何回、こうして会えるんだろう」という気持ち。
同じように感じている40代の方、きっと少なくないはずです。
私は双子の娘を若くして産んだシングルマザーで、子育てではずっと母に支えられてきました。だからこそ、母の「老い」を意識する瞬間が、人より少し早く訪れたのかもしれません。この記事では、70代の母との関わり方に悩む40代の私が、寂しさを感謝に変えるために大切にしている5つの視点をお伝えします。
後半では、FP資格者として伝えたい「親の老後に備えるお金の話」にも触れます。心の整理とお金の備え、両方が揃って初めて、後悔のない親子時間を過ごせると感じているからです。
「あと何回会えるんだろう」と数えてしまう40代の心理
心理学では、人は「有限」を意識したときに強い不安を抱くと言われています。大切な人と過ごせる時間が限られていると分かるほど、今この瞬間が尊く感じられ、同時に「失う恐怖」も大きくなる。
私自身も「もしあと10年なら、月に2回会って240回」と計算してしまい、その少なさに胸が苦しくなったことがあります。でも、この感情は母を大切に思っているからこそ生まれるもの。決して悪いものではありません。
ただ、数え続けると今この瞬間を楽しめなくなります。だから私は、「数える」のではなく「感謝する」方向に意識を切り替えるようにしています。
私と70代の母の、いまの距離感
少しだけ我が家の話を。
母と私は近くに住んでいますが、別々に暮らしています。会うのは2週間に1回ほど。母は車の免許を持っていないので、重い買い物や遠出のときは私が車を出します。父とは熟年離婚していて、母は「今が一番幸せ」と言ってくれている。それが私にとって何よりの救いです。
母は今も現役で仕事をしていて、元気にしてくれています。双子を産んで右往左往していた20代の私を、子育ても、お金も、ずっと支えてくれた人。「じいじばあば思いの優しい子に育ったね」と言われる娘たちを見るたび、母の存在の大きさを噛みしめます。
寂しさを感謝に変える、私の5つの視点
1. 「あと何回」ではなく「今日この一回」を味わう
未来を数えると不安になりますが、今日に集中すると心が落ち着きます。「今日も一緒にご飯を食べられた」「今日も笑い合えた」——それを一日の終わりに思い出すだけで、感情が整理されていきます。
2. 写真や日記に「日常」を残す
特別な日だけでなく、何気ない食卓や買い物中の一コマこそ、後から宝物になります。スマホに「母」というアルバムを作って、月に数枚でも記録するようにしています。
3. 自分が笑顔でいることを意識する
親が一番喜ぶのは、子どもが笑っている姿です。無理に明るくする必要はないけれど、母の前で疲れた顔ばかり見せないように——これは自分自身への戒めでもあります。
4. 「会いに行く時間」を予定として確保する
「時間ができたら会う」だと、結局会えません。私はカレンダーに先に「母と会う日」を入れてしまいます。仕事や用事は、その後で調整する。優先順位を行動で示すことが、自分への約束になります。
5. 「ありがとう」を口に出す
家族だからこそ、感謝は伝わっていると思いがちです。でも、口に出さないと届かないことの方が多い。「いつもありがとう」「あのとき助けてくれて本当に救われた」——照れくさくても、言葉にする練習をしています。
【FP視点】親の老後に備える、3つのお金の準備
親との時間を大切にする一方で、現実として向き合っておきたいのが「お金の備え」です。FP資格を取ってから、親の老後に関するお金の話は、早めに知っておくほど不安が減ると実感しています。
① 親の年金・貯蓄・保険の状況をざっくり把握する
「いくら持ってるか聞きづらい」と感じる方が多いと思いますが、いきなり金額を聞く必要はありません。「何歳から年金もらってる?」「保険って入ってたっけ?」など、雑談の延長で聞ける質問から始めるのがおすすめです。把握しておくだけで、いざという時に動きやすくなります。
② 介護が必要になったときの「公的制度」を知っておく
介護保険制度、高額介護サービス費、地域包括支援センターの存在——これらを知っているかどうかで、家族の負担が大きく変わります。すべて使うわけではなくても、「困ったらどこに相談できるか」を知っておくだけで安心感が違います。
③ 自分の老後資金とのバランスを取る
40代の私たちは、親の介護費用と自分の老後資金、両方を視野に入れる必要があります。親のために自分の生活を犠牲にしすぎると、結局子ども(私たちの場合は娘)に負担が回る。だからこそ、つみたてNISAやiDeCoで自分の老後を整えながら、親をサポートする——この両輪が大切です。
自分の老後資金づくりについては、こちらの記事で詳しく書いています。
👉 【40代でも遅くない】つみたてNISAの始め方を初心者向けにわかりやすく解説
👉 40代・離婚後の独身女性が老後資金を本気で増やす方法【実践対策まとめ】
まとめ|残された時間を、後悔のない時間に
「あと何回?」と数えると、悲しみばかりが膨らみます。でも「今日も一緒に過ごせた」と思うだけで、同じ一日が違って見えてくる。
母とご飯を食べる時間、たわいもない電話、車で送る短い道のり——どれも、いつかきっと「宝物だった」と気づく日が来ます。だからこそ、その日が来る前に、いま隣にいる母に「ありがとう」を伝えていきたい。
そして、心の備えと同じくらい、お金の備えも少しずつ整えていく。それが40代の私たちにできる、いちばん現実的な親孝行なのかもしれません🌻
同じように悩んでいる方に、この記事が少しでも寄り添えたら嬉しいです。


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