来月から、我が家では双子の娘が借りた奨学金の返済が始まります。
「奨学金は子どもが返すもの」とよく言われますが、現実はそんなに単純ではありません。我が家では話し合いの結果、返済を親子3人で三等分することに決めました。月々の負担は決して軽くないけれど、子どもたちの未来のための選択です。
この記事では、FP資格を持つ私が母子家庭で双子を大学に進学させ、奨学金返済を迎えた今だからこそ伝えたい、以下の内容をまとめました。
- 親が奨学金を返済する場合の現実と贈与税の注意点
- 借りる前に絶対に知っておきたい奨学金の種類
- iDeCoで世帯収入を調整して給付型奨学金を狙う方法
- 返済が苦しくなった時に使える救済制度
- 親の老後と子どもの未来を両立させる考え方
これから奨学金を検討する方、すでに返済を背負っている方の参考になれば嬉しいです。
我が家のリアル|双子の奨学金返済を親子3人で三等分した理由
双子が同時に大学進学したとき、入学金・授業料・生活費が一気にのしかかりました。母子家庭で教育資金を準備しきれていなかった我が家にとって、奨学金は命綱でした。
当初は「私が一人で返す」と覚悟していましたが、子どもたちが「自分たちも返す」と申し出てくれ、最終的に親子3人で三等分という形に落ち着きました。
この決め方には、私なりの考えがあります。
- 全額を子どもに背負わせると、結婚や転職の選択肢を狭めてしまう
- かといって全額を私が肩代わりすると、自分の老後資金が崩れる
- 三等分なら「親も子も無理しない」バランスが取れる
家計は楽ではありませんが、子どもたちが「奨学金返済のプレッシャーで夢をあきらめる」事態だけは避けたかった。これから20年近く続く返済に、3人で向き合っていきます。
【要注意】親が奨学金を返済すると贈与税がかかる?
意外と知られていないのが、親が子どもの奨学金を肩代わりすると、贈与税の対象になる可能性があるということです。
奨学金は本来「学生本人」が借りた借金。親が代わりに返済するのは、形式上「親から子への贈与」とみなされるケースがあります。
贈与税の基本ルール
- 年間110万円までの贈与は非課税(暦年贈与の基礎控除)
- 110万円を超える贈与には贈与税がかかる
- ただし、「扶養義務者からの生活費・教育費としての都度払い」は非課税
つまり、親が「毎月の返済を都度負担する」形であれば、扶養義務の範囲として非課税になる可能性が高いです。一方で、「奨学金残高をまとめて一括返済する」と贈与とみなされやすいので注意が必要です。
我が家のケース
我が家は親子3人で「毎月の返済額を3分割」して、それぞれが返還口座に振り込む形にしました。これなら、親の負担分は「都度の生活援助」に近い扱いとなり、贈与税のリスクを抑えられます。
もしまとまった金額の肩代わりを検討している方は、税務署や税理士に事前確認することをおすすめします。
借りる前に必ず知っておきたい|奨学金の3つの種類
これからお子さんの進学を控えるご家庭に伝えたいのは、奨学金には大きく3種類あるということです。
① 日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金
- 第一種(無利子):学力・家計基準が厳しめだが、利息なしで借りられる
- 第二種(有利子):第一種より基準がゆるいが、卒業後に利息付きで返済
② 国の給付型奨学金(返済不要)
2020年度から拡充された制度で、返済が不要。ただし、世帯収入・資産・学力の基準があります。住民税非課税世帯または準ずる世帯が対象で、支援区分(第Ⅰ〜第Ⅳ区分)に応じて支給額が変わります。
我が家は母子家庭で収入が低かったため、給付型を受けることができました。これは家計にとって本当に大きな助けでした。
③ 民間の奨学金・大学独自の奨学金
企業や財団が運営する奨学金で、給付型(返済不要)も多数あります。難易度は高いですが、応募する価値は十分にあります。大学の奨学金窓口で情報を集めましょう。
給付型奨学金の詳しい内容と申請方法は、こちらの記事にまとめています。
👉 40代必見 大学生の奨学金 国の給付型奨学金(返済不要)解説&体験談
【FP活用術】iDeCoで世帯収入を調整して給付型を狙う
給付型奨学金の収入要件はシビアで、あと少しの収入で対象から外れる家庭がたくさんあります。我が家も、子どもたちの大学在学中に私の収入が上がり、ギリギリのラインになりました。
そこで活用したのがiDeCo(個人型確定拠出年金)です。
iDeCoが給付型奨学金に効く仕組み
- iDeCoの掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象
- 所得控除が増える → 課税所得が下がる
- 課税所得が下がる → 住民税の所得割額が下がる
- 住民税の所得割額は、給付型奨学金の支援区分判定に使われる
- 結果、支援区分が上がり、給付額が増える可能性がある
たとえば月2万円のiDeCo拠出なら、年間24万円の所得控除。所得税・住民税の節税効果に加えて、給付型奨学金の支援区分にも影響する可能性があります。
注意点
- iDeCoは原則60歳まで引き出せないので、教育費そのものには使えません
- 受取時の出口戦略(一時金 or 年金)で税金が変わるため、計画的に
- 給付型奨学金の支援区分は住民税課税通知書の所得割額で判定されます。複雑なので、ボーダーラインの方はJASSOや市役所に事前相談を
iDeCoの始め方や仕組みについては、こちらの記事も参考にしてください。
👉 【iDeCo・NISA・家計管理】40代からの老後資金の作り方
返済が苦しいときに使える|JASSOの救済制度
返済が始まってから「家計が厳しい」「失業した」など、状況が変わることもあります。無理に返し続けて滞納する前に、必ず救済制度を検討してください。
① 減額返還制度
毎月の返還額を2分の1または3分の1に減額できる制度。返還期間は延びますが、総返還額は変わりません。年収325万円以下などの要件あり。
② 返還期限猶予制度
一定期間、返還を停止できる制度(最長10年)。失業・病気・育児・経済困難などが対象。
③ 返還免除制度
本人の死亡または障害により返還できなくなった場合、残額の全額または一部が免除される制度。
これらはすべてJASSOへの申請が必要です。返済が苦しくなったら、滞納する前に「スカラネット・パーソナル」または郵送で申請しましょう。滞納すると延滞金・信用情報への影響など、不利益が大きくなります。
親の老後と子どもの未来、両立するために
奨学金返済が始まって痛感しているのは、教育費と老後資金は切り離せないという現実です。
「子どもに借金を残したくない」
「でも自分の老後も守らなければいけない」
この二つの気持ちの間で揺れる親は本当に多いと思います。だからこそ、親自身の老後資金づくりを止めないことが大切です。私はiDeCoとつみたてNISAを併用しながら、自分の老後と子どもの返済を両輪で支えています。
👉 【40代でも遅くない】つみたてNISAの始め方を初心者向けにわかりやすく解説
まとめ|奨学金は「借りる前」が一番大事
我が家は双子という事情もあり、奨学金は避けられませんでした。でも、これから検討する方には伝えたいことがあります。
- 給付型(返済不要)から検討する。要件を満たすなら最優先で申請
- 世帯収入がボーダーラインなら、iDeCo活用も視野に(早めの相談が肝心)
- 民間の奨学金も並行して探す
- 必要最小限の金額にとどめる(借りすぎ注意)
- 奨学金は4月入学時点では振り込まれないので、4〜5月分の生活費は別途準備
- 親が肩代わりする場合は、毎月の都度払いにして贈与税リスクを下げる
- 返済が苦しい時は滞納前に救済制度を必ず使う
子どもの未来を守るのは、借りる前のほんの少しの情報と工夫の積み重ねです。我が家の体験談が、これから奨学金を検討するご家庭の役に立てば嬉しいです🌻
奨学金やiDeCoの個別相談を希望される方は。お気軽にどうぞ。


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